Azure基本

Azure App ServiceやAzure Functionsで使うSpring Bootのバージョンを2.7.xに変更してみた

Spring Bootの各バージョン毎のサポート期間は、以下のサイトで確認できる。
https://spring.pleiades.io/projects/spring-boot/#support

SpringBootサポート期間

これまでこのブログで、Azure App ServiceやAzure Functionsで動作する、Spring Bootを利用したJavaアプリケーションをいくつか取り上げて来ているが、使用しているSpring Bootのバージョンが、既に有償サポートも終了した状態になっている。

今回は、Azure App ServiceやAzure Functionsで動作するSpring Bootのバージョンを、2025/8/24まで有償サポートが受けられるバージョン「2.7.x」に変更してみたので、そのサンプルプログラムを共有する。

前提条件

下記記事のサンプルプログラムをいずれも作成済であること。

(メインドメインが同一の)サブドメインをもつ複数のAzure App Service間でデータ共有してみた下記記事で、セッションデータをAzure Cache for Redisに格納するJavaアプリケーションを、複数のAzure App ...
Azure Function上でCSVファイルのデータをDBに書き込む処理をカスタマイズしてみたこれまでこのブログで、Spring BatchのChunkモデルを用いて、Blob上のCSVファイルをDBのテーブルに書き込む処理を作成...

作成したサンプルプログラムの内容(Azure App Service)

作成したサンプルプログラム(呼び出し元のApp Service)の構成は、以下の通り。なお、下記の赤枠は、前提条件のプログラムから変更したプログラムである。
サンプルプログラムの構成_appservice_1

また、作成したサンプルプログラム(呼び出し先のApp Service)の構成は、以下の通り。なお、下記の赤枠は、前提条件のプログラムから変更したプログラムである。
サンプルプログラムの構成_appservice_2

呼出元・呼出先のいずれも、pom.xmlの変更内容は以下の通りで、Spring Bootのバージョンを2.7.18に変更している。

その他のソースコードについては、前提条件のプログラムから特に変更していない。その内容は、以下のサイトを参照のこと。
https://github.com/purin-it/azure/tree/master/azure-spring-boot-27/demoAzureApp1/

https://github.com/purin-it/azure/tree/master/azure-spring-boot-27/demoAzureApp2/

サンプルプログラムの実行結果(Azure App Service)

サンプルプログラムの実行結果は、以下の記事の「サンプルプログラムの実行結果(ローカル環境)」「サンプルプログラムの実行結果(Azure環境)」と同じ内容となる。

(メインドメインが同一の)サブドメインをもつ複数のAzure App Service間でデータ共有してみた下記記事で、セッションデータをAzure Cache for Redisに格納するJavaアプリケーションを、複数のAzure App ...



作成したサンプルプログラムの内容(Azure Functions)

作成したサンプルプログラム(Azure Functions)の構成は、以下の通り。なお、下記の赤枠は、前提条件のプログラムから変更したプログラムである。
サンプルプログラムの構成_AzureFunctions

pom.xmlの内容は以下の通りで、Spring Bootのバージョンに加え、mybatis-spring-boot-starter・spring-cloud-function-dependencies・spring-boot-maven-pluginのバージョンも変更している。

また、local.settings.jsonの内容は以下の通りで、FUNCTIONS_WORKER_JAVA_LOAD_APP_LIBSの設定を追加している。

同様に、Azure Functionsのアプリケーション設定にも、FUNCTIONS_WORKER_JAVA_LOAD_APP_LIBSの設定を追加している。
AzureFunctions設定

なお、FUNCTIONS_WORKER_JAVA_LOAD_APP_LIBSの設定を追加した理由は、以下のサイトを参照のこと。
https://github.com/Azure/azure-sdk-for-java/issues/22242

また、Azure Functions (Java 8 を実行するもののみ) の内部依存関係のバージョンは、ユーザー指定のバージョンよりも優先されるため、特に、Jackson・Netty・Reactorとのバージョンの競合が発生する。その問題を解決するには、FUNCTIONS_WORKER_JAVA_LOAD_APP_LIBS環境変数をtrueまたは1に変更する必要がある旨が、以下のサイトに記載されている。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/developer/java/sdk/troubleshooting-dependency-version-conflict

その他のソースコードについては、前提条件のプログラムから特に変更していない。その内容は、以下のサイトを参照のこと。
https://github.com/purin-it/azure/tree/master/azure-spring-boot-27/demoAzureFunc/

サンプルプログラムの実行結果(Azure Functions)

サンプルプログラムの実行結果は、以下の記事の「サンプルプログラムの実行結果」と同じ内容となる。

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Azure Function上でバッチモードとそれ以外のデータソースを混在させてみたAzure Function上で楽観ロックを実装する場合、DB接続する際のSqlSessionを生成する際に、Spring Batchの...

要点まとめ

  • Azure Functionsで動作するJavaアプリケーションにおいて、Spring Bootのバージョンを上げる際は、mybatis-spring-boot-starter・spring-cloud-function-dependencies・spring-boot-maven-pluginのバージョンも変更が必要になる。
  • Azure FunctionsでJava8で動作させ、Jackson・Netty・Reactor等でバージョンの競合によりエラーが発生した場合は、FUNCTIONS_WORKER_JAVA_LOAD_APP_LIBS環境変数をtrueまたは1に変更する必要がある。