SSAS

キューブ(SQL Server Analysis Servicesプロジェクト内)の権限設定を行った(3)

今回も、ログインユーザーによって表示できる権限を変更する過程について述べる。
今回は、SQL Server Analysis Serverの権限設定変更と、キューブの権限設定変更について述べる。

前提条件

下記記事の、test_cubeユーザーの追加とリモートログイン許可設定が終わっていること。

キューブ(SQL Server Analysis Servicesプロジェクト内)の権限設定を行った(2)今回から、ログインユーザーによって表示できる権限を変更する過程について述べる。 今回は、参照できるキューブの設定を行えるtest_cu...

やってみたこと

  1. SQL Server Analysis Servicesの権限設定変更
  2. キューブの権限設定変更

 

SQL Server Analysis Servicesの権限設定変更

既存のSQL Server Analysis Serverの権限設定は、BUILIN\Usersがサーバー管理者権限(すべての Analysis Services オブジェクトとデータに制限なくアクセスできる権限)として設定されているため、このままでは全ユーザーが全キューブにアクセスできてしまう。

今回は、test_cubeドメインユーザーには指定したキューブのみ参照権限を付与したいため、BUILIN\Users をサーバー管理者権限から削除し、test_sqlserverのみサーバー管理者権限を保有するよう、権限設定を変更する。その手順は以下の通り。

1) SQL Server Analysis Services(SSAS)プロジェクトを、SQL Server Analysis Serverにデプロイ済であるSQL Server搭載済仮想マシンに、test_sqlserverローカルユーザーでログイン

2) SQL Server Management Studio(SSMS)を利用してSQL Server Analysis Serverにログインし、下図のようにサーバー名を右クリックし、「プロパティ(Properties)」メニューを選択
SSAS権限設定変更2

3) Analysis Serverプロパティ画面が開くので、「セキュリティ(Security)」タブを選択し、「BUILIN\Users」を選択後「削除(Remove)」ボタンを押下
SSAS権限設定変更3

4) 「追加(Add)」ボタンを押下
SSAS権限設定変更4

5) ドメイン名に「test-ad.co.jp」を選択し、test_sqlserverを指定後、「OK」を押下
SSAS権限設定変更5

6) 下図のように、test_sqlserverのドメインユーザーが表示されることを確認
SSAS権限設定変更6

7) 同様に、ローカルのtest_sqlserverユーザーも追加し、「OK」を押下し、画面を閉じる
SSAS権限設定変更7



キューブの権限設定変更

キューブに対する参照権限の設定を行う。その手順は以下の通り。

1) SQL Server Analysis ServerへのSQL Server Analysis Services(SSAS)プロジェクトのデプロイ済であるSQL Server搭載済仮想マシンに、test_sqlserverローカルユーザーでログインした状態で、下図のように、2つのキューブを持ったSSASプロジェクトを、SQL Server Analysis Serverにデプロイ
キューブ権限設定変更1

2) SQL Server Data Tools(SSDT)を開き、権限(Roles)から「新しいロール(New Role)」メニューを選択
キューブ権限設定変更2

3) 全般(General)タブは、「定義の読み取り(Read Definition)」のみ選択した状態とする
キューブ権限設定変更3

4) メンバーシップ(Membership)タブで、「追加(Add)」ボタンを押下
キューブ権限設定変更4

5) test-ad.co.jpドメインのtest_cubeユーザーを追加し、「OK」ボタンを押下
キューブ権限設定変更5

6) メンバーシップ(Membership)タブに、test-ad.co.jpドメインのtest_cubeユーザーが追加されていることを確認
キューブ権限設定変更6

7) データソース(Data Source)タブは、読み取り(Read)権限を付与
キューブ権限設定変更7

8) キューブ(Cubes)タブは、SSASCube1のみ、読み取り(Read)許可でドリルスルー権限(Drillthrough)(=キューブの集計値の元となった詳細データを表示する権限)を許可する権限を付与
キューブ権限設定変更8

9) セルデータ(Cell Data)タブは、読み取り権限を付与し、右上のMDXの編集(Edit MDX)ボタンを押下
キューブ権限設定変更9

10) メジャーである「Sales Amount」を合計する定義を追加し、「OK」ボタンを押下
キューブ権限設定変更10
上記のようにしておくと、読み取り権限のみのキューブについても、メジャーである「Sales Amount」の合計値が算出できる。

11) セルデータ(Cell Data)タブが再表示され、10)で設定した計算式が表示される
キューブ権限設定変更11

12) ディメンション(Dimensions)タブの各ディメンションは、読み取り(Read)権限を付与
キューブ権限設定変更12-1

キューブ権限設定変更12-2

13) ディメンションデータ(Dimension Data)タブはそのままの状態とする
キューブ権限設定変更13

14) マイニング構造(Mining Structures)タブもそのままの状態とし、保存ボタンを押下
キューブ権限設定変更14

15) 「OK」ボタンを押下
キューブ権限設定変更15-1

すると、下図のように、「Role.role」が追加される
キューブ権限設定変更15-2

16) デプロイ済のSQL Server Analysis Services(SSAS)プロジェクトを削除し、再度SQL Server Analysis Serverへデプロイする。デプロイ後の画面は下図の通り
キューブ権限設定変更16