Spring MVC

Spring MVCを利用してみた

これまでは本ブログにて、Spring Bootを利用したサンプルプログラムをいろいろ紹介してきたが、今回は、Spring Bootを利用せずSpring MVCを利用してみたので、その内容を共有する。

Spring MVCは、MVCパターンを利用したSpringのWebアプリケーションを開発するためのフレームワークで、Spring BootはSpring MVCをより使いやすい形にしたものになっている。Spring MVCでは、Spring Bootで不要だったServletの設定やXML形式の設定ファイルの定義、サーバーへのアプリケーションデプロイ等が必要になってくる。

なお、MVCパターンについては、以下のサイトを参照のこと。
https://qiita.com/s_emoto/items/975cc38a3e0de462966a

今回は、Spring MVC用の「Spring Legacyプロジェクト」が作成できるSTS3をダウンロードし、プロジェクトの作成・実行を行ってみたので、その手順を共有する。



前提条件

Windows環境上に、バージョン1.8以降のJDKがインストール済であること。
なお、私の環境では、以下のように、JDK13がインストール済になっている。
STSインストールの前提条件

やってみたこと

  1. STS3のダウンロードと起動
  2. Spring MVCプロジェクトの作成
  3. Spring MVCプロジェクトのソースコード
  4. サーバーのポート番号変更
  5. Spring MVCプロジェクトの実行

STS3のダウンロードと起動

Spring MVCを利用するには、「Spring Legacyプロジェクト」を作成する必要があるが、最新のSTS4の場合、以下のように、「Spring Legacyプロジェクト」が作成できなくなっている。
ちなみに、「Spring スターター・プロジェクト」はSpring Bootのプロジェクトを作成するメニューである。
sts4_レガシープロジェクトなし_1

sts4_レガシープロジェクトなし_2

そのため、少し前のSTS3をダウンロードすることにした。その手順は以下の通り。

1) 下記サイトにアクセスし、ページ下方にスクロール
https://spring.io/tools

STS3_ダウンロード_1

2) 下記「Spring Tool Suite 3 wiki」リンクをクリック
STS3_ダウンロード_2

3) STS3のダウンロード画面が表示されるので、最新のSTS3(Windows用)のリンクをクリックし、STS3のZIPファイルを保存する
STS3_ダウンロード_3

4) 下記「spring-tool-suite-3.9.12.RELEASE-e4.15.0-win32-x86_64.zip」がダウンロードしたSTS3のZIPファイルで、「sts-3.9.12.RELEASE」がそれを解凍したディレクトリとなる
STS3_ダウンロード_4

5) 以下、STSのダウンロード方法・日本語化は以下の記事を参照のこと。

STSインストール_1
STS(Spring Tool Suite)をWindows端末上にダウンロードしてみたSpring BootアプリケーションをEclipse上で開発するには、Spring用のプラグインを同梱した「STS(Spring To...

なお、「SpringToolSuite4.ini」に追加する日本語化を行うためのライブラリ設定は、下記「STS.ini」に読み替えること。
STS3_ダウンロード_5_1

日本語化後、「STS.exe」をダブルクリックすると、以下のように、STS3のワークスペースが起動する。
STS3_ダウンロード_5_2

STS3_ダウンロード_5_3



Spring MVCプロジェクトの作成

Spring MVCプロジェクトの作成手順は、以下の通り。

1) ファイルメニューから「新規」ー「Spring レガシー・プロジェクト」を選択
SpringMVCプロジェクトの作成_1

2) プロジェクト名を指定し、「Spring MVC Project」のテンプレートを選択し、「次へ」ボタンを押下
SpringMVCプロジェクトの作成_2

3) 初めてSpring MVCプロジェクトを作成する際は、下記インポート確認画面が表示されるので、「はい」ボタンを押下
SpringMVCプロジェクトの作成_3

4) Javaソースを格納するパッケージを指定し、「完了」ボタンを押下
SpringMVCプロジェクトの作成_4

5) 以下のように、Spring MVCプロジェクトが作成されることが確認できる
SpringMVCプロジェクトの作成_5



Spring MVCプロジェクトのソースコード

作成したSpring MVCプロジェクトのソースコードの構成は以下の通り。
サンプルプログラムの構成
なお、上記赤枠のソースコードの内容は、これから述べる。

pom.xmlの内容は以下の通りで、17行目付近に、springフレームワーク、Spring MVCの依存関係が記載されている。

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また、web.xmlの内容は以下の通りで、サーブレットが起動されたタイミングで、root-context.xml、servlet-context.xmlを読み込むようになっている。

また、root-context.xmlの内容は以下の通りで、設定内容は空になっている。



さらに、servlet-context.xmlの内容は以下の通り。

上記タグのうち、beans:beanタグは、/WEB-INF/views/フォルダ下のJSPファイルを読み込むための設定になっている。さらに、context:component-scanタグ・anotation-drivenタグは、com.example.demo下の@Autowired,@Component,@Controller等アノテーションが付与されているクラスを読み込むための設定になっている。

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log4j.xmlの内容は以下の通りで、Springフレームワークのログを出力するようになっている。



また、コントローラクラスの内容は以下の通り。現在日時をModelオブジェクトに設定する部分を一部変更しているが、Spring Bootの場合と同じ@Controller, @RequestMappingアノテーションを利用している。

また、遷移先となるJSP画面は以下の通り。

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サーバーのポート番号変更

サーバーのポート番号変更は、Spring Bootの場合は、application.propertiesファイルの「server.port」を変更していたが、Spring MVCの場合は、以下のように、サーバー定義ファイル内の、catalina.propertiesのnio.http.portを変更すればよい。
ポート番号の変更

Spring MVCプロジェクトの実行

Spring MVCプロジェクトを実行するには、サーバー上にプロジェクトを追加後、サーバーを起動する。その後、Webブラウザ上で「http://(サーバー名):(ポート番号)/(プロジェクト名)/」とアクセスする。その手順は以下の通り。

1) ウィンドウメニューから「ビューの表示」ー「サーバー」を選択する。なお、「サーバー」が一覧に表示されていない場合は、「その他」を選択後、「サーバー」を選択する。
SpringMVCプロジェクトの実行_1

2) 以下のように、画面下の方に「サーバー」ビューが表示されることが確認できる
SpringMVCプロジェクトの実行_2

3) サーバーを選択し右クリックし、「追加および除去」を選択
SpringMVCプロジェクトの実行_3

4) 作成済のdemoプロジェクトを選択し、「追加」ボタンを押下
SpringMVCプロジェクトの実行_4

5) demoプロジェクトが「構成済み」に移動することを確認後、「完了」ボタンを押下
SpringMVCプロジェクトの実行_5

6) 以下のように、サーバーに「demo」プロジェクトが追加されることが確認できる
SpringMVCプロジェクトの実行_6

7) サーバーを選択し、「サーバーを始動」ボタンを押下
SpringMVCプロジェクトの実行_7

8) サーバーが起動すると、「コンソール」ログ、「サーバー」の内容が以下のようになっていることが確認できる
SpringMVCプロジェクトの実行_8_1

SpringMVCプロジェクトの実行_8_2

9) Webブラウザ上で「http://(サーバー名):(ポート番号)/(プロジェクト名)/」とアクセスすると、下記画面が表示される。URL末尾にプロジェクト名が必要なので注意すること。
SpringMVCプロジェクトの実行_9

10) サーバーの停止は、「サーバーを停止」ボタンを押下すればよい
SpringMVCプロジェクトの実行_10

要点まとめ

  • Spring MVCプロジェクトを作成するには、STS3をダウンロードし、「Spring Legacyプロジェクト」作成時に「Spring MVC Project」のテンプレートを選択する。
  • Spring MVCプロジェクトを実行するには、サーバー上にプロジェクトを追加後、サーバーを起動する。その後、Webブラウザ上で「http://(サーバー名):(ポート番号)/(プロジェクト名)/」とアクセスすればよい。